2008年12月 月次レポート(澤井志保 中国)
月次レポート(2008年12月)
博士後期課程 澤井志保
12月に入ってから、クリスマス色が一気に濃くなってきました。香港では経済危機といわれ、金融業などを中心に多数の労働者がレイオフされているようですが、ショッピングモールはいつものように賑わっていて、そのような気配はまだあまり実感として感じられません。
ナカノ先生から、今月は香港中文大学キャンパスにて国際会議がいくつか開催されるという情報を教えていただいたので、グローバリゼーションについての会議と、ジェンダーと家族についてのセミナーに出席しました。これらの会議では、ナカノ先生もスピーカーとなっておられたので、先生のご研究について詳しく伺うよい機会にもなりました。また、香港での移民労働者の家族概念についての発表もあったため、私の研究にも直接関連する情報を得ることができ、有益な経験となりました。
また、クリスマス前には、香港在住する移民労働者の各種自助団体、サポート団体が集まる会議に出席する機会を得ました。現在、香港では、フィリピン、タイ、ネパール、インドネシアなどの移民労働者の団体が存在していますが、移民労働者の増加につれ、国籍を越えた移民労働者の横のつながりを確立しようという動きが見られるようです。また、労働問題だけでなく、移民労働者の医療問題や、ヒューマントラフィッキングなどの問題に特化して活動している団体があることも知りました。会議の中では、各団体が各自のアジェンダを共有し、確認したうえで、今後どのような共同アクションが可能であるかということについて話合いがなされました。私は日ごろ、インドネシア人移民労働者に焦点をおいて調査していますが、この会議に出席することにより、他国の労働者や運動家の方たちに知り合う機会ができ、ネットワーキングのためのよい機会になりました。
イギリスで調査中の中島さんの先月のご報告の中に、現地調査のために必要な書類のお話がありましたので、今回は私も、香港での調査のために有益と思われる情報をいくつかご紹介します。
まず、6ヶ月以上香港に滞在して調査研究を行う場合は、HKIDというIDカードを申請して取得することができます。このカードは、香港人も香港に長期滞在する外国人も携帯しているIDカードです。このカードがあると、入出国の際に電車の駅のような自動改札カウンターにてパスポートとHKIDをスキャンすることで手続きが行えるので、常に多くの外国人でごったがえしていて、大体いつも30分以上は待たされる香港国際空港のイミグレーションにおいて、瞬時に出入国手続きが行えて、大変便利です。香港にいると、マカオ、台湾や中国本土の各都市などに近いことから、調査のために香港外に出る必要が出てくる場合も多いです。たとえばマカオへは、フェリーに乗って2時間ほどで行き来できるのですが、この際にも、入出国カウンターでHKID